オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書く際に、線のピッチをコントロールするシステム変数をどのように決めれば良いのか。
前回はそんな話をして、その設定を決める為に必要な3つの項目について紹介をしました。
用紙サイズと図面の縮尺が決まれば、作図した対象物に対してどの程度線のピッチを細かくするかは決められます。
ただし、このあたりがオートキャド(AutoCAD)のメンドクサイ部分で、そこで話がすんなりと終わらないんです。
ということで今回は、その線種尺度を左右する設定と、どのくらいの設定が無難なのかについて書いてみます。
■基本単位の設定
基本単位って何?
と思う人もいると思いますが、これは「メートル系」と「インチ系」の単位のことを指します。
オートキャド(AutoCAD)は日本だけで使われるCADではない為、どちらの単位系も使えるようになっているんです。
(これは以前書いた記事「基本単位の違いを知る」に詳しく書いています)
日本で図面を書いているだけであれば「インチなんて使わないから設定出来なくて良いのに」って思いますよね。
でもきっと、インチという単位を使って図面を書く人は「メートルなんて……」と同じ事を思っているはず。
結局ベストなのは、インチとメートル両方の設定があって、それを作図する側で設定をすること。
それが今のオートキャド(AutoCAD)の状態です。
切り替え方法についても上記リンクの続きで説明をしていますので、気になる方は読んでみてください。
ここでは線のピッチについての話ですから、そちらをメインにして話を進めることにしますが……
簡単に言うと、基本単位インチにしているか、それともメートルにしているかで、LTSCALEの設定を変える必要がある、ということです。
使っている線のピッチがそもそも違うので、これはもう仕方がないことだと言うしかありません。
■結局はどんな設定にするか
印刷をする紙のサイズは何か、図面の縮尺はどの程度か、そして基本単位はメートル系かインチ系か。
これらの項目によって線のピッチは変わってくる訳ですが、具体的な数字を出すとこんな感じになります。
【インチ系(MEASUREMENT=0)の場合】
LTSCALE = 縮尺の分母 × 5~10程度
縮尺が1/50であれば、50×5~10=250~500という感じの設定になりますね。
【メートル系(MEASUREMENT=1)の場合】
LTSCALE = 縮尺の分母 × 0.2程度
縮尺が1/50であれば、50×0.2=10程度という感じの設定になります。
もちろんこれは図面を書く側の好み、そして図面を見る側の好みが出てくる部分でもあります。
だから「程度」という言葉でに逃げています。
大体この程度の数値だと、線のピッチが細かすぎて実線に見えたり、逆に粗すぎて実線に見えたりすることがない。
そんな大雑把な目安になる設定ですから、後は実際に紙に印刷をして、自分が納得する数値に決めるのが一番です。
会社で規定されている場合も多いとは思いますが、決まりが特になければ自分で決めて問題ないと思いますよ。
余程細かすぎたり粗すぎたりしない限り、「この図面、線種のピッチがおかしいよね?」とは言われませんから。