オートキャド(AutoCAD)を操作する上で、様々な設定を切り替える為のスイッチみたいな存在である。
前回はシステム変数についてそんな内容の話をしました。
いきなり「ディップスイッチみたいなイメージ」とか言われても、あまりピンとこないかも知れませんが……
それでも、設定を変更する為に存在するたくさんのスイッチ、ということはお伝え出来たのではないかと思います。
まあ実際には「システム変数はこういう役割を持っていて……」みたいな話をするほど難しい話でもないんですけど。
それは、実際に自分でシステム変数を色々と変えてみれば、きっとすぐに理解出来るはず。
では、どうしてそんなに難しくないシステム変数なのに、わざわざこういうサイトを作って解説しているのか。
今回はそのあたりの話をしてみましょう。
■膨大な数があって
オートキャド(AutoCAD)が用意しているシステム変数は、本当にたくさんあって全部を調べるのが大変だから。
最初に書いてしまうと、このサイトでシステム変数の解説をする理由は、そこにある訳です。
システム変数を調べるだけであれば、きっとオートキャド(AutoCAD)のヘルプでも事足りるはず。
でも、それでは少し不足になるのは、一体どういうことなのか。
これは実際にヘルプを見た方ならよく分かると思いますが、ヘルプにはシステム変数がたくさん掲載されていて、何だかよく分からないんです。
しかも、システム変数はスペルの頭文字毎にカテゴリ分けされています。
最初からシステム変数が分かっている方であれば、そのスペルを頼りにヘルプのページまで辿り着く事が出来ます。
でも、操作に困ってヘルプを見た方は、どのシステム変数を見れば自分の悩みが解決するか分かりません。
例えばの話ですが、ゴシック体の文字を記入した際に、なぜかその文字が白抜きになっていた場合。
恐らくヘルプのどこかには、文字の白抜き設定を変える為のシステム変数が存在しているはずです。
でも、システム変数はアルファベット順に並んでいますから、どうやってその設定を調べれば良いのかというと……
まあ情けない話ですが、頭から一通り見ていくか、ヘルプの検索を上手く使うかのどちらかしかありません。
■目的別が必要になる
もちろんヘルプとしては、アルファベット順に並べて解説していく方が良い、という思いがあるのは当然です。
私でもきっとヘルプを作るのなら、同じような並び方にすると思います。
しかしそれは、あくまでも全部を説明しなければならないヘルプ側の都合でしかありません。
ユーザー側の立場で考えると、やはり最初に「こうしたい」という目的があって、そこからシステム変数を引いていきたいんです。
そうしないと、せっかくオートキャド(AutoCAD)側がシステム変数として用意している機能も、ユーザーには伝わりにくい。
先ほどの例では、ゴシック体の文字が白抜きになってしまう場合について考えてみました。
その場合は「TEXTFILL」というシステム変数を変えることによって、その問題は解決します。
詳しくヘルプを調べていけば、ヘルプの一段に「TEXTFILL」が載っていることは分かります。
そして、さらにそのシステム変数のヘルプを見れば、文字の塗りつぶしをコントロールしている事が分かるはず。
でも、文字が白抜きになってしまった場合、その問題点から「TEXTFILL」に辿り着くかどうか。
これが問題なんです。
だからこのサイトでは、そうして目的というか問題というか、そういうシーンからシステム変数を紹介するようにしています。
私もオートキャド(AutoCAD)のユーザーですから、その方が便利であることをよく知っているんです。