オートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図する際には、たくさんの寸法を記入することになります。

何度か書いていますが、寸法が全く記入されていない図面は単なるイメージでしかありません。
その図面が細かい部分を表現していればいるほど、記入される寸法は多くなっていくはず。

例えば図面中に「500」という数値が記入されていたら、それは500ミリメートルという意味です。
つまり50センチメートルですね。

身長などの表現を見れば分かるように、センチメートルという単位の表現は日常ではよく使います。
しかし、私が書いている図面の世界ではセンチメートルは使わず、ミリメートルで表現するのが一般的です。

これはその図面のジャンルによって違うかも知れませんが、建築関連の図面では基本的に「ミリメートル」ですね。

これは図面を見る際の大前提です。

「500」と書かれている寸法が、ミリメートルなのかセンチメートルなのかで大きさに10倍の違いが出ますから。

図面は大きさを説明する手段なのに、そんな基本的な単位で躓いていると、使いにくくて仕方がないですよね。
他にもこれと同じような話が幾つかありますので、今回は図面の単位を取り上げてみたいと思います。

■メートルとインチ
先ほど書いたのは「センチメートル」と「ミリメートル」の違いでした。

センチ → 1/100
ミリ → 1/1000

という違いがあって、それで10倍の違いが出るという話でしたが、これはもう図面を読む際の大前提です。
ミリメートルで読むことが当然になっていれば、後はそれほどややこしい話にはならないと思います。

基本は「メートル」単位になっていますから。
ただしこの基本単位は国によって違い、「メートル」ではなく「インチ」を使う場合もあります。

日本ではメートルが基本単位ですが、テレビのサイズを表すのに使う32型とかの数値でインチを使っています。

直接32インチサイズとは言わず、あえて32型と呼ぶあたりがなんだか面倒な気がしますが……

まあその辺の話には詳しくないし、オートキャド(AutoCAD)にはあまり関係ないから詳しく書かなくても良いか。

ここで何を言いたいのかというと、図面内に表現される数値の基本単位は国によって違う、ということ。
これがオートキャド(AutoCAD)の作図にも影響してくるので、まずはこれを覚えておきましょう。

■国際的なCADだから
オートキャド(AutoCAD)は日本だけで使われる訳ではなく、全世界で利用されているCADです。

オートキャド(AutoCAD)を開発・販売しているAutodeskという会社はアメリカにあって、各国に支部みたいな会社があります。

世界の様々な国で利用されているCADですから、基本単位もメートル・インチのどちらでもOK。
という設定になっています。

もちろん日本で使うオートキャド(AutoCAD)は、メッセージなどの表示が日本語になっています。
でも、設定を変えることによって、日本語のCADであっても「インチ系」単位の図面を書くことが出来る。

オートキャド(AutoCAD)はそういうCADなんです。

設定が多くなってややこしいと思う方がいるかも知れませんが、この設定が出来ないと話にならないと感じる人がいることも事実。

多少ややこしいけど設定が出来る状態と、簡単だけど何の設定も出来ない状態と、どちらが好ましいでしょうか。

答えは書くまでもありませんが、設定が出来る方が良いに決まっています。
ということで、メートル系とインチ系の単位を変える設定を次回から説明していきたいと思います。