ハッチングを鏡像化する際に

こちらが指定した範囲の中を、指定した柄というかパターンで綺麗に塗ってくれる便利な機能、ハッチング。
この機能がどれだけ便利で有り難い機能なのかは、昔自分の手で図面を書いていた方であれば分かると思います。
こちらが指定した作業内容をただひたすら繰り返すとか、そういう種類の作業はCADの得意分野です。
人間の手でももちろん出来ますが、速さと正確さという2点において、人の手はCADに敵いません。
CADの得意分野なんだから、人は別にCADと勝負をするなどしないで、黙ってやってもらった方が楽ですよね。
そんな便利なハッチング機能ですが、CADが自動的にやってくれる状況にするまでの作業は、もちろん人間の役目。
ハッチングというのは色々な事が出来るかわりに、設定の数がやや多めになっています。
オートキャド(AutoCAD)を使う側としては、それらの設定を上手に使って、ハッチングを自由自在に扱いたいものです。
今回はそんな設定のひとつ、ミラーコマンドでハッチングを鏡像化した際の表示をコントロールするシステム変数を紹介します。


■鏡像化ということは……
オートキャド(AutoCAD)のミラー(MIRROR)コマンドというのは、指定したオブジェクトを鏡に映したように反転する機能です。
どんな線に対して対称なのかは自由に設定が可能。
それにプラスして、鏡像化して移動なのか複写なのかは自分で決めることが出来るという機能です。
対象線を45度とか135度とかに設定するなど、水平垂直以外の対称線を使いこなすことが出来れば、かなり便利な機能になると思います。
と、なんだかオートキャド(AutoCAD)の便利な機能を、ただ挙げているだけみたいになってますが……
ここで突然ミラーコマンドを登場させたのには、当然のことですがきちんと意味があります。
ミラーコマンドの特徴は「鏡に映したように反転」ですよね。
そして、ハッチングには斜め45度の斜線パターンなど、「角度」という設定を持った要素です。
そういう特徴をもった機能ですから、ハッチングのパターンに大きな影響を与えることになります。
もう少し具体的に書くと……
角度とい設定を持っているハッチングを「鏡像化」した場合、ハッチングがどんな状態になるのか。
ということですね。
■システム変数:MIRRHATCH
このシステム変数は、ハッチングにMIRRORコマンドを使用した際に、どのような結果となるのかをコントロールします。
例えば斜め45度のハッチングを鏡像化した場合、考えられる結果は次の内いずれかになります。
0:ハッチングを鏡像化しても、ハッチングの角度は変えない
1:ハッチングを鏡像化したら、ハッチングの角度も鏡像化する
このシステム変数に入る数値は「0」か「1」のいずれかで、それぞれの設定は上記の通りです。
オートキャド(AutoCAD)の初期設定は「0」になっています。
これについては色々な意見があるかと思いますが、どちらの設定もアリですから、好きな設定に変えることをお勧めします。
ちょっと文章だけでは分かりにくいかも知れませんので、ここで実際に例を挙げて説明してみます。
オートキャド(AutoCAD)で標準的に用意されているハッチングパターンの中に「ANSI31」というハッチングパターンがあります。
変な名前だと思われるかも知れませんが、要するに斜め45度のハッチングパターンです。

ハッチングの作成後

そのハッチングを2つ作成して、システム変数MIRRHATCHを「0」と「1」で実行してみると……

ハッチングを鏡像化した後

このように、システム変数MIRRHATCHによって、構造複写後のハッチングパターンが変わっていることが分かります。
ちなみに上図の処理をする際には「MIRRTEXT」を「0」に設定(というか初期設定ですが……)しています。
どちらの設定が自分で直感的か、一度じっくりと考えてから、このシステム変数を設定してみることをお勧めします。
■実際の操作方法
設定方法は非常に簡単です。
オートキャド(AutoCAD)がコマンド待ち状態の時に、「MIRRHATCH」と入力して「Enter」を押します。
MIRRHATCH の新しい値を入力 :
そうすると上記のような表示が出ますので、ここで設定を変更する場合のみ「1」と入力してEnterで設定は完了します。
この設定はオートキャド(AutoCAD)全体ではなく、それぞれの図面毎に設定が保存されます。
だから、今まで特に設定をしてこなかった場合には、全てのファイルで設定が「0」になっている状態です。
切実に困らない場合には「0」のままにしておき、実際にMIRRORコマンドを実行する場合に、ちょっと設定を変える。
そんな使い方がスマートではないかと思います。
どんな図面をオートキャド(AutoCAD)で作図するのか、という部分にもよってきますが……
ハッチングに対してMIRRORコマンドを実行する際には、一度考えてみて欲しい部分だと考えています。
割と最近のバージョンにしかないシステム変数ですけども。

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