前回はオートキャド(AutoCAD)が用意している「自動調整寸法」という機能の概要を紹介しました。
寸法が指している要素を移動すれば、その要素とセットになって自動的に移動してくれる機能。

これは実際にオートキャド(AutoCAD)を起動して試してみると、なかなか便利そうな機能だということが分かります。

今回はまず、寸法を記入する際に自動調整寸法を適用するかをコントロールするシステム変数を紹介します。

■システム変数:DIMASSOC
このシステム変数は、オートキャド(AutoCAD)で寸法を記入する際に、どのような設定で寸法が作成されるかをコントロールします。

具体的にどのような設定があるのかというと、全部で3種類です。
ということで、このシステム変数には「0」「1」「2」のいずれかの数値が入る事になります。

オートキャド(AutoCAD)の初期設定では「2」になっているので、作図の状況に合わせて設定をしていきましょう。

それぞれの設定については以下のようになっています。

0……寸法が分解された状態で作図されます
1……寸法は自動調整なしの状態で作図されます
2……寸法は自動調整ありの状態で作図されます

具体的は設定方法について説明すると、こんな感じになります。

オートキャド(AutoCAD)がコマンド待ち状態の時に「DIMASSOC」と入力して「Enter」を押します。

DIMASSOC の新しい値を入力 <2>:

そうすると、上記に様な表示が出ますので、この状態で0・1・2のいずれか自分が設定したい項目の数値を入力して「Enter」を押します。

これで設定は完了です。

■それぞれの設定について
ここで、システム変数「DIMASSOC」が持っている3種類の設定について、もう少し詳しく説明してみます。

「0」の寸法が分解された状態になるというのは、実際はあまり使わない設定です。
他のCADに変換することを前提として作図するとか、そういう限られた状況で使用するくらいです。

変換時に寸法という要素だと上手く変換出来ない為、分解してから変換をするとか、そういう状況です。

ただ、いつの間にかそういう設定になってしまって、記入した寸法が分解された状態になってしまう、ということも時々あります。

それを元の設定に戻すのも、システム変数「DIMASSOC」の役目ということになります。
「1」の自動調整寸法なしというのは、本当にごく普通の寸法を入力するということです。

前回も紹介しましたが、要素を移動しても寸法が自動で移動してくれる、ということはありません。

「2」の自動調整寸法ありとは違い、オートキャド(AutoCAD)が自動でなにかやってくれる訳じゃない。

これが大きな違いですね。
でも、寸法自体をこちらで動かしてあげれば、移動した距離にあわせて数字字体は自動で変わってくれます。

どこまでオートキャド(AutoCAD)に自動でやってもらうか。
このシステム変数は、そうした動きをこちらで指定することが出来る、非常に便利な設定です。

それぞれの動きをしっかりと掴んで、目的にあった設定で作図していくことが出来るようにしておきましょう。