オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書くのは、どんな意味と目的があるのか。
そんな根本的な話をしてきましたが、簡単に書いたのにずいぶん長くなってしまいました。

・対象の物を作る前に
・紙の媒体に
・絵として書いてみる

これが図面を書く目的です。
ずいぶん簡単に説明が終わってしまいましたけど、もしかしたらこれだけで良かったのかな……

とまあそんな話はさておき、こうした目的を持って書かれる図面に対し、寸法はどんな役割を果たすのでしょうか。

■寸法とは何か
寸法というのは、図面の中で「ここの間の距離はいくつですよ」という説明をする為の手段です。

例えばコップの図面があったとすると、コップの高さが幾つかを知る為には、記入してある寸法を見るのが一般的な方法です。

こんな風に。

図面内の寸法線

実際にコップの図面があるかどうかは別にして、この図面を見ればコップの大きさを簡単に知ることが出来ます。

コップの高さは100mm、コップの最上部で60mm、最下部で50mmというサイズが。

ただ、これはコップを横から見た図面ですから、これだけではこのコップが平面的に丸いのか四角いのかまでは分かりません。

全部の情報を知る為には、やはり平面図も必要になってくる訳ですが、とりあえずこの図面では高さを確実に知ることが出来ます。

図面に記載されている線と線の距離を説明するのが寸法線の役割、ということですね。

■大きさの記録として
そんな役割を持つ寸法ですが、これがどうして図面の中で重要な役割を果たすのか。
それは、図面がどんな目的で書かれるのかを知れば、ごく自然に理解出来ると思います。

実際に物を作ってしまう前の準備として、まず紙の上で試してみるということで、図面という手段を用いる。
これが図面を書く目的です。

そして、机上で計算をする為には漠然とした絵だけではなく、実際にどの程度の大きさなのかを示す寸法が必要になる。

これは何となく想像出来るでしょうか。
実際にどれくらいの大きさなのか、という寸法がなければ、図面は単なる絵だけでしかありません。

そんな絵を見ても、それが実際に作っても大丈夫なのかどうかなんて、誰にも分かりませんよね。
数値という根拠がない訳ですから。

寸法があってはじめて、計算とか検討が出来る材料が揃ったことになり、図面が図面として機能をする。
そんなイメージですね。

図面の中で寸法がどれだけ重要なのか、というのは、この部分を見るだけでも充分に分かると思います。

そして、オートキャド(AutoCAD)を使って図面を書く仕事をするのなら、寸法を避けて通ることは出来ません。

ここでは寸法関連のシステム変数を色々と紹介していきますので、ぜひ一度じっくりと読んでみて頂ければと思います。